reon4857 ファン登録
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言葉を一度も交わさなかったあの人と よくここで一緒にサボってた。 懐かしい。 あの人がピアノを弾いて生み出した音を自分は言葉にして黒板に書いた。 いつもの暗い表情はなく、その言葉を綺麗な歯を見せて読んでくれた。 何度かピアノに近づこうとしたが鋭くでも悲しそうな目が 向けられ、黒板の前からは離れることはかなかった。 あの時、動かなかった脚は今なら動く。 音しか知らなかったピアノ。 鍵盤が数箇所へこんでいる。 その箇所を引いた途端、涙が溢れた。 「ひさしぶり」